髪にいいトリートメントって?
本当に髪に良いトリートメントって何でしょう?
シャンプーやトリートメント(リンスやコンディショナー含む)も、薬屋さん(ドラッグストアー)をはじめ、最近ではインターネットでも口コミを参考に色々な商品を購入できるようになりました。
インターネットでは口コミや広告を参考に、良さそうな物を探し購入しますがこれって結構賭けじゃないですか?
一回であう物が見つかればそれが一番ですが、決して安い物ばかりではない商品をいくつ購入してもなかなか自分の髪にあう物が見つからない方もいらっしゃいます。
僕ら美容師はご来店いただいた時間に、次にご来店されるまでの時間を考えた施術を行わなくてはいけないのですが、(毎度で申し訳無いですが)毎月カラー&トリートメントにいらっしゃる方でも年間12回しか美容室のトリートメント(毛髪補修)は受けられないので、残りの353日はお家でのケア(以下、ホームケア)次第になって来ます。
すると、お家で使用するシャンプーやトリートメント、アウトバスタイプ(流さないもの)のトリートメントの役割は普段ただ使っているという位置から一気に『お家美容師』くらいまで昇格するわけです。
そのシャンプーやトリートメントを使用するのは皆さん一人一人なわけですから、合うものを見つけられていても使い方がイマイチの方もいらっしゃると思うんです。その場合、髪にあっていても合わないものと錯覚してしまって、良い使い方が出来ないまま過ごすことになります。
『べつに頭洗うだけだから良いのではないの?』
とも言われそうですが、ケアされた髪って扱いやすくなるから、切れ毛も出来にくいし枝毛にもなりにくい。それに艶が出て収まるから、普段のセットも楽になると良いことずくめなんです。
『私の髪は扱いにくい!』
『切れ毛で髪が傷んでる』
『枝毛が多い』
『クセが出る』
『まとまらない』
『艶がない』
『膨らむ』
『浅野セットが大変』
とお悩みの方は、何かしらホームケアの問題点があったりします。
もちろん美容室での技術も重要で、カットの仕方やトリートメントの効かせ方でお家での扱いやすさが全然変わります。
最近のカットで、まだまだ多く見られるのが根元からの毛量調整です。これがボリュームとクセを増強します。まとまりが悪い方の原因第一位ですね。
続いて第二位は切れ毛です。
縮毛矯正後の切れ毛が後を絶たないですね。
根元の折れが最大の原因ですが、矯正をしている方が正しいホームケアをレクチャー(美容師さんから説明)されていないことも大きな原因です。
矯正をしている髪に、正しいホームケアを行わないと毛先からパサ付き枝毛が増えて絡みやすくなります。
毛先に枝毛が増えて質感が悪くなり絡みやすくなると、シャンプーをしている時から流す時、タオルで拭いた後梳かす時、朝起きてブラシで整える時など、四六時中毛先が絡まるので、強引に梳かしてしまう方が多いです。
結果、切れ毛がどんどん産まれるのですが、一番切れやすいのは直近で施術した縮毛矯正と新しく生えてきた部分の境目です。
ここから切れると、早い方は2~3cmくらいの部分に短い毛が多くなります。それが伸びた時や15cmくらいで切れ毛になった場合などその辺りでクセが一気に強く出ます。もちろんボリュームもでます。
次に第三位は、ホームケア不足です。
お家でのケアが上手くできず髪を傷みやすい状態へ導いてしまうことで起こります。
ここは、美容師さんに100%責任があると思っています。
ホームケアは普段行っているシャンプーやトリートメントに一手間加える事から始まりますが、『手間をかけられない』『めんどくさい』とおっしゃる方でも、少し手を加えるとサラサラの艶々に仕上がると出来そうなことをやってみようかと考えてくれます。
ホームケアで美容室のトリートメントをしようと思ったら大変ですが、普段していることに『ひとてま』が、とても大切です。
トリートメントしてブローして、アイロンかけて・・・美容室では綺麗に仕上げようと美容師さんも頑張っています。
でも、本当は頑張るところが少し違うと思うんです。
お家でも(帰ってからも)同じように仕上げられるように仕上げることが一番大切かなって。
そうするとシャンプーの使い方やトリートメントの使い方、ブローローションやオイルの使い方が重要になってくるのですが、髪の状態に合わせた使い方と髪質や好みのスタイルに合わせたアイテムの選択も重要です。
一例ですが、髪の多い固い方が毎月のカラーと年3回の縮毛矯正を続けているとします。
普段のシャンプー時はシャワーをかけただけで、髪がまとまって指通りが悪くなりますので、シャンプーは補修タイプの少し柔らかく仕上がる『モイスト』タイプを選びます。モイストシャンプーで絡まずにしっとり洗い上げた後はボリュームを抑えるためにスムースタイプのトリートメントで若干広がりを抑えサラサラした質感へ調節します。
ここでは硬さを取って洗いやすさとその後の扱いやすさ重視に補修用のモイストタイプのシャンプーを使用しました。髪は柔らかくなると膨らみやすくなる傾向があるので、扱いやすくしっとりした髪を、スムースタイプのトリートメントでタイトに仕上げるイメージで選びました。
アウトバスタイプのトリートメントは、矯正を定期的に施術している方は根元~中間に切れ毛が多いのでタイトに仕上がり易いブローローションをTOPから中間に馴染ませ、中間から毛先は質感を向上させるトリートメントを付けて、TOPからぬるめの風で乾かします。
完全に乾いてから、毛先に硬さが出やすいのでべた付き感のないしっとり系のトリートメントオイルを毛先を中心に中間まで馴染ませもう一度温風でドライヤー&ブラシを入れます。
文章で書くと長いですね。
ご来店いただいてご自分の髪で仕上がりを見て頂くと、もう少しわかりやすく簡単だと思います。
ここでご理解頂きたかったのは、お家で使うシャンプーやトリートメントも、お医者さんの薬のように髪にあわせて処方していく事が重要だということです。
何でも良いわけでは何ですよね。
ただ、『美容室で売っているものって高い』と敬遠される方もいらっしゃるのですが、そういう場合はピンポイントで使う方法もご案内しています。よく使うシャンプーは一番使用量が多いので市販で売っているものなどの中から極力絡まないしっとり系のものをチョイスします。
その後の質感や扱いやすさを左右するトリートメントは美容室の髪に合わせた少し良いものを使ってみたりすると、セットで購入するよりもお得にそろえることが出来ます。
また、お家に美容室で進められて買ったけど使っていないオイルがあるのでしたら、サロンに来られる際持ってきて頂ければ、普段のホームケアに組み合わせられるか考えることも可能です。
使い方や使う順番でそう言った物が無駄にならないようにする方法もあるので、気軽に相談してみて下さい。
最後に、美容室でシャンプーやトリートメントを進められた際『それは私の髪にどんな風に必要なのか』聞いてみると良いですよね。
それがちゃんと貴方の髪にあった物であれば、購入しても無駄になる可能性が低いですが、ただ【キャンペーン商品】というだけではどんな理由を付けても貴方の髪に合わせることは出来ません